人工透析について
腎臓は、不要な水分や老廃物を体外に排出するだけはなく、さまざまなホルモンの産生と調節を行っています。腎臓の機能が低下すると、これらの機能が徐々に失われていき、体内の恒常性を維持できなくなります。
人工透析とは、血液中の不要な水分や老廃物を人工的に浄化する、腎臓の代替療法です。人工透析には、「血液透析」と「腹膜透析」の2種類があります。
腎臓は、不要な水分や老廃物を体外に排出するだけはなく、さまざまなホルモンの産生と調節を行っています。腎臓の機能が低下すると、これらの機能が徐々に失われていき、体内の恒常性を維持できなくなります。
人工透析とは、血液中の不要な水分や老廃物を人工的に浄化する、腎臓の代替療法です。人工透析には、「血液透析」と「腹膜透析」の2種類があります。
腎臓はこぶし大ほどの大きさで、背中側の腰辺りに左右1個ずつある臓器です。血液中に含まれる老廃物を濾過し、尿を作り出して体外に排出させるなど、いわば「体の排水処理場」といえる役割を担っています。
心臓が1回の拍動で送り出す血液量の約4分の1が腎臓に送り込まれ、1日に約150~180リットルの原尿(尿のもと)が作られます。ろ過を繰り返していき、最終的に原尿が1.5リットルまで減り、尿として排出されるのです。
腎不全とはさまざまな原因により、腎臓の働きや機能が不十分になった状態です。
腎機能の低下により、尿として排出されるはずの老廃物や不要な水分が、体内に溜まってしまいます。老廃物が蓄積して倦怠感、食欲低下、吐き気、頭痛などの尿毒症の症状が出現します。さらに重症化すると、息切れや呼吸困難などの症状が現れます。
血液透析とは、血液を体外に取り出し、ダイアライザーと呼ばれる透析器に血液を循環させます。血液中の老廃物を浄化し、余分な水分を取り除き、透析器を通った血液はきれいな状態になり、再び体内に戻されます。
血液を体外に取り出すために、腕の静脈と動脈をつなぎ合わせる(内シャント)手術が必要となります。
血液透析は、週に3回、1回の治療時間が4~5時間かかります。あくまでも腎臓の機能を補う治療であり、腎臓の機能を改善する治療ではないため、生涯続けていく必要があります。
シャントは透析患者様にとって大切な生命線です。普段からシャントに負担がかからないよう、袖のきつい服を着たり、シャントのある腕で重い荷物を持ったり、時計をしたり、血圧を測ったりするのはやめましょう。また、腫れや痛みがないか観察し、常に清潔に保つように心がけましょう。
タンパク質のとりすぎは、老廃物が体内に溜まりやすくなるため、食事の管理が必要です。また、カリウムやリンの取りすぎにも注意しましょう。
水分のとりすぎにも注意が必要です。透析で余分な水分を取り除きますが、一度にたくさんの水分を除去しようとすると、心臓に負担がかかり血圧が低下する恐れがあります。また、塩分の取りすぎも喉が渇く原因となり、飲水量が増えてしまうので注意しましょう。