運動療法

運動療法について

心機能や低栄養状態、貧血、睡眠の質、貧血、不安などが改善するなど、「運動療法」は透析を必要とする患者様にさまざまなメリットがあります。運動習慣がない方に比べると、運動習慣がある場合は生命予後にも良好な結果をもたらし、透析の効率の改善も期待できます。

当センターでは、理学療法士による適切な運動療法のご案内が可能です。ベッド上で足上げ運動やマシーンを用いた自転車こぎなど、患者様一人ひとりの体調を考慮した運動をご案内いたします。足の機能を向上し、転倒や骨折の予防をめざします。「運動習慣」を日常に取り入れ、いつまでも自分の足で元気に歩いていきましょう。

運動療法の必要性

以前は以下のような理由があり、透析が必要な患者様の運動療法は控えるべきとされていました。

心臓への過度な負担

運動により血流が促進し、血管が広がりやすいため、血圧の低下が起こりやすいといわれていました。特に心疾患を持つ患者様は、動悸や息切れなどの症状も出やすいなどと考えられていたのです。

関節痛や腰痛がある人には不適応

高齢の患者様や組織の石灰化がある場合、運動療法が関節の負担となり、痛みなどの炎症を引き起こすといわれていました。

透析をご利用中の患者様は、心臓の拍動(ポンプ機能)の低下や動脈硬化を併発している方も多く、過度な運動(特に無酸素運動)は非常に危険です。 しかし、運動がいけないわけではありません。当センターでは運動療法を通じて、患者様に運動習慣を作っていただくことを目的にしています。

運動療法の効果

  • 酸素取り込み量の増加

  • 足・腰がしっかりし歩行が安定する

  • 下肢血行の改善

  • 筋肉量の維持または増加につながる

  • 関節の可動域が広くなる

  • 不安・うつ・QOLの改善

透析が関係する運動療法は、効果を即実感できるものではありません。長期的な継続により上記のような効果が期待できます。 最も大切なのは、無理をせずに少しでも運動を継続して行うことです。しかし、運動による疲れや効果を自覚できないなど、モチベーションの維持が難しくなるときもあります。

それでも、「運動を続けていて良かった」と思っていただけるように、当センターのスタッフが一人ひとりに合ったサポートを行い、質の高い運動を提供いたしますのでご安心ください。
ぜひ当センターでの運動療法を通じて、単なる長生きではなく「元気でいられる長生き」を一緒にめざしましょう。

当センターで行う運動療法

  • 待合室での運動
  • イスに座った状態で取り組める体操
  • ベッドサイドでの運動
  • 透析中にベッド上で行える運動
  • 透析日以外の当センターでのリハビリ
  • 透析日以外の自宅での散歩、運動など自主トレーニング

患者様の症状や体調に合わせて運動強度を示しながら、無理のない範囲内で取り組んでいただきます。定期的な筋力測定など、日頃の成果を数値化するなど、運動に対するモチベーションを一緒に高めていきましょう。

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